
お菓子作りに重宝される「ベーキングパウダー」。
私の著書でも、大活躍のアイテムであります。
特に、発酵なしでお手軽に米粉パンを作ろうというコンセプトで作りましたこちらの本
↓↓↓
では、なくてはならない、重要アイテムです。
私はふだん、ラムフォードのベーキングパウダーを愛用しています。
★原材料がシンプル。★膨らみがいい! ★苦みが控えめ。
というのがお気に入りポイントでした。
が、そんなラムフォード様がなんと、2020年の3月頃から突如成分配合が変更され、そのバージョンを使うと膨らみが悪いやら食感も落ちるやら、という問題が発生しておりました。
いわゆる「酸性剤」と呼ばれる成分がダウン、その代わりに「遮断剤」として使われるコーンスターチの比率がアップ。という仕様変更でした。

コロナ禍の影響で、おうちでお菓子作り需要が上がったことで、原材料の調達に問題が出たのかな。。。なんて勝手に想像して、悲しんでおりましたが、、、
なんと!!! 先日、朗報を発見しました!!!
今月下旬ごろから、昔のモリモリ膨らむバージョンに、成分配合が戻るとのこと!!!
こわしくは →こちら。
いや〜、良かったです。安心しました。
とはいえ、お手元に、もしかしたら膨らみ悪い暫定バージョンのラムフォードをお持ちの方もいらっしゃいますよね。
そして、まだ市場に出回っているのも、暫定バージョンが多いと思います。しばらくそんな状況が続くでしょう。
そんな、手元にモリモリ版ラムフォードがない方のために、どう対策すべきか。
検証してみました。
(もっと早くやっておけば良かったのですが、遅くなってすいません!!)
対策としては、
1、膨らまないラムフォードでもなんとか膨らませる。
2、他のメーカーのものを使う。
のどちらかかと思います。
まずは、新旧のラムフォード、それから代表的なメーカーのベーキングパウダーが、それぞれどのような成分配合になっているか見てみましょう。

表の中の「共立」と「アイコク」は下記の商品です(スーパーでよく見るやつ)。
(共立=箱のほう。アイコク=缶のほう。)

ベーキングパウダーの主成分は、
★アルカリ性剤=炭酸水素ナトリウム(重曹といわれるやつ)
★酸性剤=アルカリと反応させるやつ
★遮断剤=コーンスターチとか
の3つ。
水分と熱に反応して膨らむように配合されているそう。
より詳しい解説は →こちらなど参照。
この3つの成分の配合比率が、各社違います。
そんでもって、膨らみ方にもかなり違いがありました。
『発酵いらずですぐおいしい かんたん米粉パン』
の、「基本のミニ食パン」レシピで、検証した結果がこちら。
※ちっちゃいパンなので写真では膨らみに大差ないように見えるかもですが、食べてみるとかなり差があります。

上3つは、膨らみ悪いほうのラムフォードです。
★「ラム新」:膨らみが落ちているのは案の定ですが、生地が茶色っぽくなります。味も重曹的な風味が残っていました。重曹と反応する酸が少ないことで、重曹成分が残ってると思われます。食べると歯にくっつく感じあり。
★「BP+2/ラム新」:ベーキングパウダーの添加量をプラス2g追加 ⇒膨らみはいい感じになりましたが、生地がさらに茶色に!味も重曹臭がさらに強くなりました。
★「レモン×2/ラム新」:酸性剤が少ないなら酸を足せばいいんでは?ということで、レシピのレモン汁を2倍に(その分水を減らした) ⇒膨らみアップ!茶色にもならず、重曹臭も残りませんでした。ブラボー!!
ただ、キメが細かすぎるというか、若干ですが歯にくっつく感じがあるのと、甘味がいくぶん減る気も?でもどちらも許容範囲。食感については水分量の調整で改善できるかも。
下3つはメーカー違い。
★「共立」:一番膨らみ悪い。酸性剤は旧ラムフォードくらいだけどアルカリ性剤が少ないせいか?食べると歯にくっつく感じあり。
★「ラム旧」:安定の膨らみ。早くこのバージョンに戻ってほしいですね。
★「アイコク」:アルカリ性剤は少ないものの酸性剤が多めだからか、旧ラムフォードと同レベルの膨らみです。
以上をふまえ、結論。
ラムフォードの仕様が元に戻るまでの対策としては、
1、「アイコク」のベーキングパウダーを使う(又は似たような成分比率の商品を使う)。
2、暫定版ラムフォードを使うなら、酸を足す(レモン果汁とか酢とか)。
ということで、乗り切って頂ければと思います!!!!


あと、大事なことですが、ベーキングパウダーは開封して時間が経ったもの、保存方法が悪いものはかなり膨らみ落ちます。
冷蔵庫や冷凍庫で保存も絶対NGです。なぜ冷凍&冷蔵ダメなのかは ⇒こちらを参照。
私は最近、空気遮断してくれるパウチの袋に、多めの乾燥剤と一緒に入れて保管してます(乾燥剤は色が変わったら交換)。その方法だと1年ぐらい経っても膨らみモリモリです(^_-)-☆