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2016年11月01日

グルテンフリー成形パンにおける、「サイリウムハスク」の神的効果。


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最近、米粉パン作りが好きな人達の中で盛り上がってますよね、「グルテンフリーの成形パン」。
私も気になりつつも、このところのバタバタで取り組めてなかったのですが、やっと落ち着いたので、昨日から試しはじめました。

米粉の成形パン自体は、昔からアレルギーっ子ママさん達はたくさんの工夫をしながら作ってきたわけですし、「ココナッツドリーム」や「お米パン八」などでも、ベーグルなどなど、作られていたわけで。

私もベーグルに取り組んでいた時期がありましたが、レシピが非常に繊細で、「みんなが失敗なくできる」レシピは難しいとあきらめた経緯があります。

しかし、改めてそんな成形パンが、今までになく盛り上がってる要因。
これは、今までの作り方と大きく違う部分があって、それは、

「サイリウムハスク」

をみんなが使い始めた、というところかなと思います。
これを使えば、今まで特殊なテクニック(個人個人バラバラのオリジナル)だったパン作りが一変。
材料一個足しただけで、こねて成形できて、ちゃんと気泡も入る。
クープもちゃんと開く(クープを見ると、あ、この人サイリウムハスク使ってるな、なんて分かりやすいです。独特の網目が見えます。)

とまあ、この手軽さは、そりゃあ、広まるわけですね。
(だからと言って、=おいしい。ではないですが。おいしくするには、さらに工夫が必要ですね。ここはやはり難しい。個人個人のこだわりになりますね。形だけで満足できない部分。)

「サイリウムハスク」。
ネーミングからして、化学的だし、もしかして添加物かい?
なイメージが湧いてしまいますが…

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↑こういう商品です。

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と書いてあるように、添加物ではなさそうですね。
じゃあいったい、何者かというと、

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オオバコ(正確には「プランタゴ・オバタ」)の種子の皮を、粉末にしたもの。
種の皮〜!?
私も最初聞いた時はびっくりでした。

原材料も、シンプルにそれのみ。

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実物の粉末を見て触ってみると。

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確かに、粉末の中に皮らしきものが残ってたりして、純粋に種の皮だけっぽい気もします。
色も茶色くて、漂白処理もしてないんだろうなーと思えます。

じゃあこれを、何の目的で使うのか。
だいたい想像つきますよね。
「グルテンフリー」パンを小麦のパンのようにふんわりさせるために欲しいもの。
そりゃあもう、

「グルテンの代わり」

の他にないでしょう。
つまりは、

「増粘剤みたいな効果が、添加物じゃないもので得られる」

これはありがたい!!

「サイリウムハスク」と言われると聞きなれないネーミングですが「オオバコダイエット
」なら、聞いたことある方も多そうです。
通販でも手に入りやすい商品です。

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海外の輸入ものも、色々あります。
Amazonで私が購入したのはこれ(オーガニックのもあります)↓。

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一般的にはまだメジャーではないかもしれませんが、海外のグルテンフリーパンで、「gum-free(グアーガムとかキサンタンガムとかの増粘剤はなしよ、という意味)」なんて書いてあるレシピには、けっこう使われている素材。
日本でも、「糖質オフ」のパン(「ふすま」や「大豆粉」を使ったパン)を作ってる方々の間では、すでにメジャーな素材のようです。

粉末の段階では、こんな感じですが↓

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水に溶くと、そのおもしろい性質がよく分かります。

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重量比で、「水:サイリウムハスク=20:1」で溶かしてみました。
わらび餅にとてもよく似てます。

動画がこちら↓



「オオバコダイエット」と「輸入もの」で比較してみると↓

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弾力は「オオバコダイエット」が高いです。
ただ、「輸入もの」のほうも、水量を少なくしたら、同じ弾力になるかも。

パンにするときには、米粉パンの場合、水分を多く含んでる方がでんぷんの老化は遅くなり、時間とともに固くなるのをセーブできるので、水はたくさん抱き込んでくれたほうがいいわけで。
そこを考えると、「オオバコダイエット」を選びたくなります。

ただし、「におい」に関していうと、「オオバコダイエット」のほうが、若干においます。
どんなにおいかは、うまく表現できないのですが。
決して、「いいにおい」ではありません。
配合量に気をつけないと、この臭いはパンの味を左右しそうです。
それを考えると、「輸入もの」を選びたくなります。

味は「無味」です。
そのまま食べてみると、臭いが左右して「オオバコダイエット」のほうが微妙にくせを感じますが、鼻つまんで食べたら同じでした。
塩味も甘みも酸味も辛みも何も感じませんでした。

こちらは「オオバコダイエット」のほうを配合して作ったパン↓。

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米粉、砂糖、塩、サイリウムハスク、油、イースト、水、のみです。

かなり加水してみましたが、ちゃんと膨らみました。
しかし、けっこうもっちり。
ネトつきなどなく歯切れもいいですが、モッチリ感出過ぎました。
でも、ベーグルなら、違和感ないかも。

海外レシピのように、スターチ類を入れると、もっと軽さが出そうです。

あと、海外レシピを見ると、「チアシード」や「フラックスシード」が入ってることがあります。
生地を作ってみると分かるのですが、サイリウムハスクを入れた生地、ゴムのような弾力は出ますが、生地を伸ばしてみると、ガムのように伸びてはくれない。ぶちっと切れる。

小麦のパンで言うと、「グルテン」は、
「グルテニン」と「グリアジン」
が絡み合ったもの。
この2つは性質が違っていて、簡単にまとめると、

グルテニン:「弾性」=伸ばすと元に戻ろうとするゴムのような性質。
グリアジン:「粘性」=糸を引くような性質。

このサイトに分かりやすい説明があります)

「サイリウムハスク」は、この「グルテニン」のような弾性はあるのですが、「グリアジン」のような粘性はないように思います。
「チアシード」や「フラックスシード」は、この「グリアジン」の役目を果たす目的かもしれません。

今回、ふんわり感が乏しいのも、グリアジン的粘性がない生地だったので、伸びに限界が出て、結果ボリュームが出なかった気がします。

クープが貧相なのは、焼き方かな〜。

今回は米粉のみで作りましたが、玄米粉や雑穀粉を入れたらそれはそれでまた効果があるわけで、その辺も詳しく検証して行こうと思います。

糖質オフパンには、他にも、「シトラスファイバー」なんてものも使われているもよう。



オレンジの皮の白いところですってー?!
いやはや〜。色々ありますね〜。
さっそくぽちってみようと思います。

食物繊維系は、他にも色々ありそうですね。
「こんにゃくマンナン」もパンをふんわりさせてくれる、素晴らしい素材ですし。
「ビートファイバー」なんてものもあるようです。
増粘剤になりますが、「グアーガム」も、植物から取れる食物繊維か。
植物繊維の世界も、面白そうです。未知の分野ですが。

そんなこんなな、これからどんどん進化していきそうな「グルテンフリーな成形パン」。
普通の食生活している一般人でも、「おいしい!」と思うレベルのものができたら、レッスンしたいなと思いますが、それはいつのことになるでしょう〜(*´∀`*)ゞ
道は長そうです。


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posted by 多森 at 22:53| Comment(2) | 試作&実験レポート
この記事へのコメント
タモリ先生的にはサイリウムハスク無しグルテンフリー米粉パンと、サイリウムハスクありの成形米粉パン、どちらが味・食感ともにお好みですか?

ネットではサイリウムハスクを使って成形パンを作っているのを最近見ますが、断面を見る限りノーマルの食パンの方がおいしそう(ふわふわ)に見えて・・。

成形・ふくらみは凄いなぁと思うのですが味が伴っていないと。実際はどうなんでしょう?
Posted by イエローロディ at 2016年11月22日 13:34
★イエローロディさん

現時点で、自分が作るレベルのもので比べたら、食パンのほうが美味しいと思います。
ただそれは、まだ美味しいレベルの成形パンやハード系のパンを自分が作れていないからなのです。

ココナッツドリームというお店で売っているサワドーブレッドは、サイリウムハスクが使われていますが、その存在を感じさせない美味しさです。
自分が作る食パンと、ココナッツドリームのサワドーブレッドを比べて、どっちが好き?と聞かれたら困っちゃいますね。どっちも美味しくて好きです。

インスタグラムのmariybisさんや、FacebookのCOLULIさんなど、とてもクオリティの高い成形パンを作る方がいらっしゃって、そういった方々の作るパンなら、きっとおいしいんだろうな〜と思います!
COLULIさんは、もうすぐお店をオープンされるそうなので、楽しみです!

私もいつかは〜と思うのですが、難航しています(*´∀`*)ゞ
Posted by 多森 at 2016年11月28日 01:38
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