春の親子レッスンがはじまり、私の癒され週間がはじまりました!
これまでは、甘いもので親子レッスンメニューが続いていましたが、初の甘くないメニュー。
発酵なし即席パンと手作りウインナーで、ホットドッグ!!
ついでに、グルテンフリーやきそばを一緒に作って、焼きそばパンも楽しめるようにしました。
初日は「小林生麺のウェーブ麺」、2日目は「あわめん」を使ってみました。
冬に広島風お好み焼きのレッスンをした時は、だんぜん小林生麺のほうがリアルだったのですが、どうも、やきそばパンには、「あわめん」のほうが合う気がします。
焼きそばにしても適度なコシが残るのが、パンと合わせた時に良い感じ。
ところで、4〜5月の「応用パンクラス2」ですが、当初はサイリウムハスクを使ったパンにしようと思っていたのですが、夜な夜な試作をしているうちに、サイリウムハスクなしでも作れそうということが分かり。
食感は良い感じですが、まだ味はもうひとつだったりもするので、まだ自信を持って、「超おいしいです!!」とは言えませんが、製法としては非常におもしろいので、思い切ってやってみようと思います。
この製法を使うと、今までの高加水米粉食パンも、さらにおもしろいものになりそうです。
さて、そんな新しいレシピについてですが。
レシピというか、製法と言わせて下さい。
グルテンフリーの米粉のパン作りは、小麦の長い歴史のパン作りと違って、まだまだ、目下発展途上な分野だと思います。
日本では特に、米粉が主体になっていて、海外のグルテンフリー文化ともまた違った、独特の文化を形成中といいますか。
その原材料の米粉自体も、年々新しいものが出てくる。
そんな中で私も長年米粉のパン作りをしていますが、とにかくそれはもう、日々、トライ&エラーの繰り返しです。
最近思うのですが、自分の中で、レシピ作りをする時に、
「レシピ」と「製法の発明」
の2種類があるなと。
世にすでにある周知の手法を取り入れて、配合を試行錯誤して作るのが「レシピ」。
世の中でまだ人が気づいてないようなことにいち早く気づいて、それをベースに、業界が驚くような画期的なものを作り上げるのが「製法の発明」。
例えば、私の応用パンクラス1の「シナモンロール(風)」は、「レシピ」のほうです。
そこに、画期的な製法の発明はありません。
これまでの基本のパンの作り方からのアレンジバージョンです。
試作はもちろん何度もしていますが、配合の微調整のようなことで、根本的な製法の部分での苦労はなく。
最初にレッスンした時から、レシピは変わっていません。
逆に、「高加水ゆるふわ米粉パン」。
これは、「製法の発明」のほうです。自分の中での話です。業界が驚いたかどうかは分かりません。
とにかく、自分の中で「これはすごい、画期的だ!日本のグルテンフリーパンの流れが変わる!!」
そう思えた。
米粉パンは、時間がたつと固くなる、パサつく。
これが、給食に持たせるにしろ、人へのプレゼントにするにしろ、販売するにしろ、大きなネックとなっていた事実はあると思います。
それが、小麦のパンと同じように、気にしないでよくなった。何日も柔らかい。
その製法を見つけた時、どれだけ自分でも驚いたか。
そんなこともあり、最終的なレシピを作り上げるまでに、それはそれは、試作しました。
そして、未だにまだ、完成形のレシピとは思っていなくて、改善したい点がいくつかあり、自分の中での課題になっています。
そして、今回「応用パンクラス2」で紹介する製法。
これは、自分の中では「製法の発明」のほうになります。
まだ、成形パンというには、型に入れないと成立しない点や、味の面でも、胸を張れないものなのですが、
増粘剤やサイリウムハスクを使わないで、
「生地にグルテンのような骨格と粘りを作る」
という製法の、入口となるであろうものです。
教室に来る生徒さんの中には、自分の仕事にこの製法を使いたい、という人がいるだろうな、というのは想像がつきます。
私の中の「レシピ」のほうであれば、自分なりにアレンジして使って頂いても、特に何か思うということはありません。
すでに周知の手法を使ってもの作りし、良いとこどりをして商売をするところに、私が口を出すことでもないとも思いますし、「パクリ」と思うか「アレンジ」と思うかは、それぞれの自分の中での線引き、プライドのようなものにゆだねるところかなと。
(※ただ、思うところは、ほぼパクリのようなことを続けて商売している人の作るものは、それなりの味しか出せないんじゃないかと。もの作りには、失敗の積み重ねや作り上げるまでの過程がとてもとても大事だと思う訳です)
「製法の発明」のほうだと、これはかなり特殊なので、逆に生徒さんのほうも、アレンジするとはいっても、私のレシピですと言って製法を使うことに対する後ろめたさは半端ないと思います(後ろめたくなくサラッと使う人もいるかもしれませんが、私の教室に来てくださる方はそうではないと信じたい)。
高加水ゆるふわパンのほうは、こうした「後ろめたさ」を感じる誠実な方々からの声で、免許制度を設けました。
正々堂々と、胸を張ってお仕事に利用したい。
と思ってくださり、そして、その製法を利用して、ちゃんと「おいしいもの」を作れる。
そんな、「製法の価値」を理解してくださり、さらに「使いこなす実力」のある方には、もちろん、利用して頂きたいし、その可能性を、同志として一緒に発展、展開していきたい。
お金を出してコースを終了したら誰でも資格がもらえる、というビジネススタイルは、あれこれキッチンでは今のところ考えていません。
将来的に絶対やりません!!ということではありませんが、今は全くそんな気持ちになれない。
今の自分には、その方法が「ちゃんとおいしいものを作れる人」を生みだすビジネススタイルとは、思えないのです。
応用パンクラス2で紹介する手法、ぎりぎりまでブラッシュアップしようと思います。
もし、仕事で使いたいという思いがあり、レッスンを受ける方は、そのような私の考え方を理解して頂けたらうれしいです。
免許制度も考えますので、個別にご相談ください。
その方が、発明した方の努力も報われるし、それを利用する人もスッキリするように思います。
そして、特許法の主旨と同じく、産業(米粉業界)の発展につながるように感じます。
今の米粉パンの進め方だと、主婦の趣味の域から出ない気がしてなりません。
真をついたアドバイス、ありがとうございます。
特許については一瞬考えたことも昔あるのですが、調べてみると、米粉関連の特許は意外と多く驚いたことがあります。
製法の特許に関してですが、「超熟」VS「超芳醇」のような例もあり、
http://gomasabatoika.hatenablog.com/entry/2013/09/02/235849
私の製法を考えても、きっと代替手段がいくつもありそうで…特許を出す意味とは何だろうと考えてしまいました。
万が一、そっくりそのままの製法を企業が使っていたとしても、個人レベルではそれに意義を申し立てて裁判を起こすとなると、、、ほぼ不可能だなと。
実は、IT企業で働いていたころ、私の名前でゲームシステムの特許が取られたことがあります。
大企業の特許専門のチームが書類を作り、申請し、私はサインをしただけでした。
とても難解な書類で、目を通すだけでぐったりでした。あんな内容を、私が作れるとも思えず(笑)。
いやはや、特許書いてくれる敏腕ヘルプがいればいいんですけど、貧乏弱小個人事業主には、なかなかハードルが高いですね(泣)