アマゾンの米粉パンCMについて、このブログで、先日調査報告をいたしました。
たくさんの反響がありました(詳しい内容はこちらの記事を参照ください)。
今日はその後の報告となります。
皆様からの声は、グリコの関係者の方々にも届き、
■ 米粉の成形パンを家庭で作りたいニーズが非常に高いこと
■ その時点でグリコから提案されていたレシピは、ユーザーのイメージしているものとは相違があること
が伝わり、グリコの研究開発スタッフの方が、
なんとか皆さんに満足いただけるレシピを!!
ということでずっと研究を進めてくださっていました。
そして、先日。
米粉パンを普段作っている側からみて、開発したレシピが、米粉成形パンの完成度としてどうか?
是非感想を聞きたい。
とのことで、そのパンを試食させていただきました。
こちらが、そのパンです!!

クープの開き具合がすごい!!!
表面のひび割れやガビガビ感もありません!!!
CMのパンにかなり寄せた見た目!!!
(ちなみに、焼成後ビニール袋に入れた状態で1日経過したものです)

断面です。
気泡がしっかりと入っているのが分かります。
焼いてから1日経っているとのことでしたが、トーストなしで食べても十分美味しくいただけます。
みっちり感もなし。歯切れもよい。
パンのいい香りが広がります。
これなら、前日に焼いておいて、翌日給食に持たせても、問題なしのクオリティだと思います。
なぜこんなにしっかり気泡が入った成形パンができるのか?
その秘密、知りたいですよね(*^^*)
なんと!!!!
このレシピが、本日、アマゾンの「こめの香」のページにアップされました!!
(下記リンク先のアマゾンページをスクロールしていくと、「メーカーより」という欄にレシピが出ています)
こめの香 米粉パン用ミックス粉グルテンフリー 900g 2袋
レシピを見たら、なるほどー!!
ですよね。
米粉パン、やはり、ある程度のゆるさがないと、うまく気泡が入ってくれませんので、ゆるい生地を作り。
でもそれだとだれて高さのないパンになってしまうので、固めの生地で包んでしまうという。
発酵の時点からクープを深めに入れているのは、表面にヒビを出さず、かつ気泡をたくさん入れることにも大いに効果がありそうです。
また、焼成時に表面がガビらない工夫として、油膜で覆ってるわけですね。
焼けて粗熱が取れたら、まだ温かいうちにビニール袋に入れるなどして、水分を逃がさないようにするのもポイントだそうです。
色んなアイデアが詰まった、開発スタッフ渾身のレシピ!!!!
目頭が熱くなります。
ゆるい生地を少し骨格の強い生地で覆うという方法は、小麦のパンの世界にもあり、私もロティオランの堀田シェフから教わり、自分の米粉パンレシピにも応用させていただいています。
具だくさんなグルテンフリーカンパーニュを作るときに具を閉じ込める目的でも、時々使ってます。
ソフトなパンでもそうか〜、使えるアイデアなんですね。
グリコの方いわく、公開したレシピをもとに、どんどんアレンジしていただいて、皆さんにさらに良いレシピを作って頂けたら嬉しい、とのことでした。
そして、もう1つ試食させていただいたのが、こちら。

写真ではわかりづらいんですが、公開されてるレシピのパンから、さらに1.5倍くらい膨らんだもの。
これは一般の人間には入手しづらい副材料を加えて作る、業者さん向けのレシピのもの。
ここまできたらもう、いい意味で米粉感ゼロ!
スーパーやコンビニで売ってる、スナックパンのような食感です。
言われなければ、グルテンフリーと気づかない人多数ではないでしょうか。
これから東京オリンピックに向け、外食産業でグルテンフリーパンを検討中の方。
この食感は、まさに、海外受けする食感だと思います。
もし興味ある方は、
グリコ栄養食品株式会社
さんに問い合わせてみてください(^^)/
CMが流れている時期に、グリコのサポートセンターに問い合わせをされた方へ。
その時期、社内での情報伝達がうまくできておらず、問い合わせ頂いた方に適切な対応ができていなかったこと、とても反省していらっしゃいました。
私も実は、サポートセンターへ個人的に意見を言ったこともあり、サポートセンターの方からも、反省の旨、今後の改善策について、改めて報告をいただきました。
電話やメールで、納得できない対応があったかもしれませんが、結果として、そうした皆さんの声が、開発部門、またサポート部門を動かしたと言えると思います。
池上彰さんが、以前、
「微力だけど無力じゃない」
という言葉を、心に刺さったフレーズとして紹介されていました。
(核廃絶のために何ができるかを考える的な話のタイミングだったと思います)
個人が声を上げても届かないような無力感を覚えることも、人生の中で多々あるかもしれませんが、微力だけど無力じゃない、と信じてささやかにでも行動することって、無駄ではないと思います。
日本のグルテンフリー市場はまさに発展途上。
まだまだ一般の方と、普段米粉パンに触れている人間とは隔たりがありますが。
この隔たりを少しでもなくし、我々の常識を世間の常識に近付けるためにも、微力だけど無力じゃないを信じて、情報発信等、続けていこうと思う次第であります。
このレシピが、多くの方に届きますように。