
去年か今年あたりからなのですが、
古い米粉でパンを作ったら全然膨らまなかった!
未開封なのに!!
という声をちらほら聞いておりました。
私は遭遇したことのない現象だったので、実際どうなんだろう、と思っていたのですが、先日某メーカーの方からも同じ話を聞きまして、どうも事実としてあるようです。
ミズホチカラ米粉でも、リファリーヌでも同様の症状があるとのことでした。
※賞味期限内のものを使えば問題ないと思うので、安心してくださいね。
なぜなんだろう、とずーっと引っかかっていたのですが、さっき、たまたま
ためしてガッテン
を見ていたら、もしかしてこれ? という内容をやっていました。
詳しくは番組ホームページのこちらのページの中の、
◉グルテンを弱めるとふわっふわに!カステラの秘伝
というところをご覧ください。
ざっくりまとめると、
・カステラは、弱いグルテンの小麦粉を使うと膨みが良くなる。グルテンが強いと膨らみが悪くなる。
・ひきたての小麦粉はグルテン強めなので、昔の職人は長期間粉を放置(エージング)してグルテンを弱めていた。
そうで。
ガッテンのページから引用させていただくと、
粉を寝かすことで、グルテンのもとになる物質の手にあたる部分が酸化され、グルテンができにくくなります。
とのこと。
米粉にはグルテンを作る性質はないですが、しかし、何かしらの粘りはあるような気がしています。
特にミズホチカラとか。
その粘りの正体はいまだに謎なのですが、その粘りのようなものが、もしかしたら、小麦粉と同じように長期間の室温放置で弱まっているのかも???
なんてことを思った次第です。
ちょっと検索してみると、面白い文献をみつけました。
「疎水化したデンプン粒の穀物食品への影響小麦デンプン粒表面タンパク質の重要性」
神戸女子大学 瀬口 正晴
一般人には難解な内容ですが、ずーっと下のほうにスクロールすると、
「SFAEを用いた米粉パン改良」
という内容があり、
そちらにも、古い米粉は製パン性が悪くなる、とあります。
なぜ製パン性が悪くなるか、そのメカニズムについてをこの論文から理解するには、まだまだ私は勉強が必要なのですが、うすぼんやりと、
エージングによって、デンプン粒の表面のタンパク質に何かしらの変化が生じる
ということはなんとなくイメージできた感じです。
もしかしてのもしかして、古い米粉でパンがふくらまなかった!!!
という経験がある方、そういうことかもしれません。
そして、もし手元に賞味期限切れの米粉がある方は、その米粉はパンではなくて、他の用途で消費したほうが無難かもしれません。
結論!!!!
パン作るなら、新しい米粉を、せめて賞味期限内の米粉を、使うべし!!!!
