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2019年08月21日

古い米粉でパンの膨らみが悪くなる件について


190821_komeko.jpg

去年か今年あたりからなのですが、

古い米粉でパンを作ったら全然膨らまなかった!
未開封なのに!!


という声をちらほら聞いておりました。
私は遭遇したことのない現象だったので、実際どうなんだろう、と思っていたのですが、先日某メーカーの方からも同じ話を聞きまして、どうも事実としてあるようです。

ミズホチカラ米粉でも、リファリーヌでも同様の症状があるとのことでした。
※賞味期限内のものを使えば問題ないと思うので、安心してくださいね。

なぜなんだろう、とずーっと引っかかっていたのですが、さっき、たまたま
ためしてガッテン
を見ていたら、もしかしてこれ? という内容をやっていました。

詳しくは番組ホームページのこちらのページの中の、

◉グルテンを弱めるとふわっふわに!カステラの秘伝

というところをご覧ください。

ざっくりまとめると、

・カステラは、弱いグルテンの小麦粉を使うと膨みが良くなる。グルテンが強いと膨らみが悪くなる。
・ひきたての小麦粉はグルテン強めなので、昔の職人は長期間粉を放置(エージング)してグルテンを弱めていた。

そうで。
ガッテンのページから引用させていただくと、

粉を寝かすことで、グルテンのもとになる物質の手にあたる部分が酸化され、グルテンができにくくなります。

とのこと。

米粉にはグルテンを作る性質はないですが、しかし、何かしらの粘りはあるような気がしています。
特にミズホチカラとか。
その粘りの正体はいまだに謎なのですが、その粘りのようなものが、もしかしたら、小麦粉と同じように長期間の室温放置で弱まっているのかも???

なんてことを思った次第です。

ちょっと検索してみると、面白い文献をみつけました。

「疎水化したデンプン粒の穀物食品への影響小麦デンプン粒表面タンパク質の重要性」
神戸女子大学 瀬口 正晴


一般人には難解な内容ですが、ずーっと下のほうにスクロールすると、

「SFAEを用いた米粉パン改良」

という内容があり、
そちらにも、古い米粉は製パン性が悪くなる、とあります。

なぜ製パン性が悪くなるか、そのメカニズムについてをこの論文から理解するには、まだまだ私は勉強が必要なのですが、うすぼんやりと、

エージングによって、デンプン粒の表面のタンパク質に何かしらの変化が生じる

ということはなんとなくイメージできた感じです。

もしかしてのもしかして、古い米粉でパンがふくらまなかった!!!
という経験がある方、そういうことかもしれません。

そして、もし手元に賞味期限切れの米粉がある方は、その米粉はパンではなくて、他の用途で消費したほうが無難かもしれません。


結論!!!!

パン作るなら、新しい米粉を、せめて賞味期限内の米粉を、使うべし!!!!


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posted by 多森 at 21:53| Comment(0) | 米粉のハナシ

2019年07月27日

タンパク質分解酵素で米粉パンの膨らみがアップする件について


先日、インスタのほうに投稿しました下記の記事。

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この投稿をInstagramで見る

#タンパク質分解酵素 で、グルテンフリー米粉100%パンの膨らみがアップするという研究の講義を聞くことができ、非常に興味深かったので、さっそく試してみました。 (※でんぷんに作用する酵素ではなく、#蛋白質分解酵素 であることがポイント) ・ 実験で使われていたような酵素は一般人には入手しづらいですが、パイナップルやキウイの果汁でもいけるということで、キウイの絞り汁を添加して試してみました。 (※詳しい実験方法はここでは割愛します。 石川県立大学生物資源環境学部食品科学科 本多准教授による研究テーマです) ・ 先ほど焼きあがりましたが、非常に面白い結果になりました。 ミズホチカラ米粉やアルファ化米粉配合の米粉あたりならこういう気泡やボリュームは米粉100%でも難なく出せると思います。 これが、一般的な製菓用米粉の場合難しかったりします。 気泡を包む粘りがないので。 今回使用したのは、コシヒカリ系の、吸水もそこそこしてしまう、私としてはあまり100%米粉パンに使いたくない米粉。 なんと、まるでミズホチカラを使ったような気泡の入り方、ボリュームを出すことができました。 つまり、生地にいい感じの粘りが生まれたわけです。 ・ そして、1番自分としては興味が出た部分が、香りです。 本多先生が、焼きあがったパンはほのかにチーズのような香りがしてそれはそれであり、みたいなお話をされていましたが、まさにそんな感じ。 酒粕の匂いにも似ている。 キウイの香りはどこへ!? もう少し匂いを抑えて香りをコントロールできれば、違和感なく深みのある香りのパンが作れるかもと、楽しくなってきました。 ・ もう一点。 これは焼き上がりの香りにも関係してると思いますが、メイラード反応に明らかに違いが出ました。 砂糖は、実はかなりの控えめです。対粉3%。 それなのに、とてもこんがり濃い焼き色がつきました。 そしてパンも甘い!! 今回はキウイの果汁なのでその糖の影響の可能性もありますが、実験データでは他の酵素でも同じ結果になっていました。なぜそうなるのか、まだ理由は分かってないそうですが、面白いですね。 ・ アミロース値が低い米粉であることに変わりはないので、ミズホほどの弾力はないですが、逆を言えばそのぶん柔らかくホワホワで、しっとり。 この感じだと、パンの劣化も遅く、2-3日は柔らかそうな気がします。 ・ コシヒカリ系の米粉でミズホ並みのボリュームを出したい!! という方には、まさに朗報な研究データだと思いますにこにこ️ ・・・ #米粉パン #米粉 #グルテンフリー #グルテンフリーパン

Sakumi Tamoriさん(@39mix)がシェアした投稿 -



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といった投稿だったわけですが。
非常にマニアックな小難しい投稿にもかかわらず、かなり興味を持ってくださる方が多く。

まず、もっと詳しく研究について知りたい方へ。
やはり、本家本元の論文を読むのが近道でしょう!!

ということで、こちらの論文、がんばって探しました!ネットにありました。
↓ 英語ですが(*^ω^)ゞ
Improvement in gluten-free rice bread quality by protease treatment

ちなみに、日本語のもあるっぽいのですが、どうやって閲覧できるのか、すいません、わかりません。
誰かわかる人いたら教えてプリーズ。
↓ たぶんこれ。
グルテンフリー米粉パンのテクスチャー改善におけるプロテアーゼ効果の解明

論文を読んだ上でさらに質問がある方は、直接
石川県立大学生物資源環境学部食品科学科
のほうへ問い合わせていただけたらと思います。

ということで、とりあえずこれまでに私のほうへ質問来てました分だけ、ここでまとめてお返事しておきます。これ以降の質問は勘弁してください。質問されてもたぶん分からないので(笑)

Q1、こんな粉でもあんな粉でも効果あるか?
A1、
わかりません。
ちなみに、湿式気流粉砕のでんぷん損傷率の低い粉じゃないと十分な効果は出ない、という話はされていました。(※実験に使われている粉は新潟製粉のもの。論文では「福森シトギ2号」となってますが、そちら製品名称が変わり、「パウダーライス D 」として現在は扱われているとのこと)。

Q2、レシピを教えて。果汁はどれぐらい入れるのか?など、製法について。
A2、
詳しくは、上の英語の論文の P5以降、
2. Materials and methods
あたりから読んでみてください。読めない人は翻訳サイト使ってみるとか。
ちなみに、酵素入れたらそれでオッケー、というわけではなく、実験ではイースト以外のものをミキシング後一定温度で一定時間置いてからイースト投入、発酵、焼成、となってます。
詳しくは論文見てください。
果汁の場合の配合率については、私も聞いてないので、インスタの投稿のものは超適当です。
この投稿の時は、確かキウイ1個と水(量も超適当)をミキサーで粉砕して、濾したものを米粉100gに対して使いました。
実験データの加水率では生地が固かったので、対粉87%程度まで増やしました。
オートリーズは室温で一晩。
チーズっぽい香りがちょっと濃いかな〜と思ったので、酵素量なのか時間なのか温度なのか、まだまだ調整が必要な段階です。

Q3、酵素ってことは、甘酒とか米麹とかでもいい?
A3、
実験での酵素はタンパク質にのみ作用する酵素だと言われてました。私も疑問に思ったので質問してみましたが、でんぷんには作用してない、と断言されてました。というわけで、でんぷん分解酵素が含まれている麹菌あたりはまたちょっと違う方向かもしれませんね。
そもそもでんぷんを糖化させる酵素入った状態で長時間放置したら、米粉の場合だとねちょねちょなパンになっちゃうんじゃないかな〜???絶妙な加減で短時間でやれば良き効果はあるかもですが…。

※注)ところで、蛋白質分解酵素でも、効果があるものとないものとがあるようです。詳しくは論文内にあると思います。

とりあえず、質問の答えは以上です。

ちなみに、大前提として、「グルテンフリーパン用米粉」として販売されている粉
例)パン用米粉ミズホチカラふっくら米粉マイベイクフラワー純米パンミックス、その他増粘剤入りのパン用ミックス等
ならすでにふんわり膨らみますので、その粉で作ってる方には不要な方法です。

ただ、私個人的には、香りの変化に非常に可能性を感じているので、そういった面で、ちょっと色々と試したいなあと思っています。

とりあえず、今日スーパーで梨をゲットできまして、次は梨で効果のほどを試してみようと思ってます(#^^#)

★追記★
蛋白質分解酵素についてネットサーフィンしてたら、すごい中学生を見つけました。
「タンパク質分解酵素の研究〜1番肉を柔らかくできる酵素は何か?〜」(←PDFです)
夏休みの自由研究ですって!!中1ですって!!!
おったまげ〜〜〜〜〜!!!!



posted by 多森 at 22:17| Comment(0) | 米粉のハナシ

2018年08月01日

「ふわりんこの素」ようやく販売開始! レシピも大公開!!!


明日からダンスDVD(昔子供に誕生日プレゼントでもらったTRFのエクササイズのやつ)やるね!!
と2週間前に言ったはずですがまだそういえばやってないことに気づきましたタモリですこんにちは。
家族のだれもが本気にしてなかったことが救いです。

このブログやSNSでたびたび登場していました、
「例の粉」
と言ってたものですが、ようやく、販売体制が整ったとのことで、皆様に公開できる日が来ました!!!!

例の粉の正体、その名も、

「ふわりんこの素」

180801_huwarinko.jpg

特殊な特許技術「コアパウダー」製法で作られた、「α化米粉」です。
「α化」っていうと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと、加熱された糊の状態っていうイメージです。
生米じゃない、炊いたお米の状態。
なので、お水を加えただけで、おかゆをつぶした状態のものができます。
そのまま離乳食や、介護食なんかにも、使えちゃう!
火を使わないでいいので、非常食にもなりますね。

そんなα化米粉。
米粉のパンやお菓子作りに、非常に使えるアイテムです!!

まずは、その粘り。
水と混ぜるだけで粘りが出るので、グルテンや卵の変わりのような、「つなぎの役目」として使えます。
乳化力もあるので、洋菓子では卵やバターなしでも、もろもろしないつながりのある、油浮きのないしっとりした生地になります。

そして、最も素晴らしい特徴として、「でんぷんの老化抑止効果」。
米粉のパンって、すぐにパサついて固くなることが多いのですが、α化米粉を加えることで、ぐっとしっとり感が長続きします。

前日に作ったパンを、翌日給食に持たせたい、という親御さん。
これを混ぜるだけでしっとり感がまるで違うので、おすすめです。

まあ、難しいことはさておき!!!!
発売に際して、今回、この「ふわりんこの素」を使ったレシピを開発、提供させていただきました!!


「ふわりんこ米粉パン」

180801_huwarinko_bread.jpg


「チョコチップスコーン」

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「もちもちクレープ」

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以上3品のレシピは ⇒ こちらに掲載されています。

ふわりんこの素は、α化米粉といっても、ちょっと特殊な技術が使われています。
これは、他のα化米粉と比べると(そんなマニアックなことする人間も少数派でしょうが)、感覚的に分かると思います。

ちょっと種類がありますので、説明しますね。

「デリシーネ」
は、北海道産うるち米。「白米」が使われています。
⇒「デリシーネ」販売ページはこちら

「ヘルシーネ」
は、現在2種類あります。
⇒「ヘルシーネ」販売ページはこちら

1つは北海道産うるち米。「発芽玄米」が使われています。

そして、もう1つが大変にレア!!!!
神奈川県産の「モミロマン」という品種の「発芽玄米」が使われています。
そして、なんと、「無農薬」!!!!
モミロマン、知ってる人は知っている。
そう、「高アミロース米」です。
高アミロース米のα化米粉で、しかも無農薬の発芽玄米だなんて、米粉オタクにはたまらないレアアイテム〜!!!!

こちら、在庫はあと少ししかないそうなんです。
ご興味ある方は、早めにゲットしてください。

普段米粉食パンを作ってる方は、いつものレシピの米粉の5〜10%を、ふわりんこの素で置き換えてみてください。
加える量で加水率も変わります。
入れるほど、吸水が高くなります。
しっとりすると同時に、加水が高くなるほど若干ねとつきも出ますので、5〜10%の中で、お好みの配合率を見つけてください。
使う米粉によって変わると思いますが、ミズホチカラ米粉で作る場合の私の好みは、7%です。

発芽玄米の「ヘルシーネ」のほうは、玄米のほんのり香ばしい香りと旨味が加わります。
白米の「デリシーネ」のほうは、優しいおせんべいのような香りがあります。
お好みで選んでください。

やっと情報公開できる日がきて、個人的にもとても嬉しいです。
公開したレシピはほんの一部の利用方法で、他にもいろいろと使えます。
そんな「ふわりんこづくし」的なレッスンも、いつかやりたいなあと思っています。

製造、販売してくださった、湘南元気村さま、
こんな面白い素材の開発にかかわらせてくださり、感謝申し上げます。

みなさま是非、ふわりんこの素で、ふわりんこなパンやおやつ、楽しんでください!!
posted by 多森 at 18:03| Comment(2) | 米粉のハナシ

2018年07月24日

「こめの香(グルテンフリー)」の、最新「米粉成形パン」レシピ公開!!


アマゾンの米粉パンCMについて、このブログで、先日調査報告をいたしました。
たくさんの反響がありました(詳しい内容はこちらの記事を参照ください)。
今日はその後の報告となります。

皆様からの声は、グリコの関係者の方々にも届き、

■ 米粉の成形パンを家庭で作りたいニーズが非常に高いこと
■ その時点でグリコから提案されていたレシピは、ユーザーのイメージしているものとは相違があること


が伝わり、グリコの研究開発スタッフの方が、

なんとか皆さんに満足いただけるレシピを!!

ということでずっと研究を進めてくださっていました。

そして、先日。
米粉パンを普段作っている側からみて、開発したレシピが、米粉成形パンの完成度としてどうか?
是非感想を聞きたい。
とのことで、そのパンを試食させていただきました。

こちらが、そのパンです!!

180724_glico1.jpg

クープの開き具合がすごい!!!
表面のひび割れやガビガビ感もありません!!!
CMのパンにかなり寄せた見た目!!!
(ちなみに、焼成後ビニール袋に入れた状態で1日経過したものです)

180724_glico2.jpg

断面です。
気泡がしっかりと入っているのが分かります。

焼いてから1日経っているとのことでしたが、トーストなしで食べても十分美味しくいただけます。
みっちり感もなし。歯切れもよい。
パンのいい香りが広がります。
これなら、前日に焼いておいて、翌日給食に持たせても、問題なしのクオリティだと思います。

なぜこんなにしっかり気泡が入った成形パンができるのか?
その秘密、知りたいですよね(*^^*)
なんと!!!!

このレシピが、本日、アマゾンの「こめの香」のページにアップされました!!

(下記リンク先のアマゾンページをスクロールしていくと、「メーカーより」という欄にレシピが出ています)

こめの香 米粉パン用ミックス粉グルテンフリー 900g 2袋


レシピを見たら、なるほどー!!
ですよね。

米粉パン、やはり、ある程度のゆるさがないと、うまく気泡が入ってくれませんので、ゆるい生地を作り。
でもそれだとだれて高さのないパンになってしまうので、固めの生地で包んでしまうという。
発酵の時点からクープを深めに入れているのは、表面にヒビを出さず、かつ気泡をたくさん入れることにも大いに効果がありそうです。
また、焼成時に表面がガビらない工夫として、油膜で覆ってるわけですね。
焼けて粗熱が取れたら、まだ温かいうちにビニール袋に入れるなどして、水分を逃がさないようにするのもポイントだそうです。

色んなアイデアが詰まった、開発スタッフ渾身のレシピ!!!!
目頭が熱くなります。

ゆるい生地を少し骨格の強い生地で覆うという方法は、小麦のパンの世界にもあり、私もロティオランの堀田シェフから教わり、自分の米粉パンレシピにも応用させていただいています。
具だくさんなグルテンフリーカンパーニュを作るときに具を閉じ込める目的でも、時々使ってます。
ソフトなパンでもそうか〜、使えるアイデアなんですね。

グリコの方いわく、公開したレシピをもとに、どんどんアレンジしていただいて、皆さんにさらに良いレシピを作って頂けたら嬉しい、とのことでした。

そして、もう1つ試食させていただいたのが、こちら。

180724_glico3.jpg

写真ではわかりづらいんですが、公開されてるレシピのパンから、さらに1.5倍くらい膨らんだもの。
これは一般の人間には入手しづらい副材料を加えて作る、業者さん向けのレシピのもの。

ここまできたらもう、いい意味で米粉感ゼロ!
スーパーやコンビニで売ってる、スナックパンのような食感です。
言われなければ、グルテンフリーと気づかない人多数ではないでしょうか。

これから東京オリンピックに向け、外食産業でグルテンフリーパンを検討中の方。
この食感は、まさに、海外受けする食感だと思います。
もし興味ある方は、
グリコ栄養食品株式会社
さんに問い合わせてみてください(^^)/


CMが流れている時期に、グリコのサポートセンターに問い合わせをされた方へ。
その時期、社内での情報伝達がうまくできておらず、問い合わせ頂いた方に適切な対応ができていなかったこと、とても反省していらっしゃいました。
私も実は、サポートセンターへ個人的に意見を言ったこともあり、サポートセンターの方からも、反省の旨、今後の改善策について、改めて報告をいただきました。

電話やメールで、納得できない対応があったかもしれませんが、結果として、そうした皆さんの声が、開発部門、またサポート部門を動かしたと言えると思います。

池上彰さんが、以前、
「微力だけど無力じゃない」
という言葉を、心に刺さったフレーズとして紹介されていました。
(核廃絶のために何ができるかを考える的な話のタイミングだったと思います)

個人が声を上げても届かないような無力感を覚えることも、人生の中で多々あるかもしれませんが、微力だけど無力じゃない、と信じてささやかにでも行動することって、無駄ではないと思います。

日本のグルテンフリー市場はまさに発展途上。
まだまだ一般の方と、普段米粉パンに触れている人間とは隔たりがありますが。
この隔たりを少しでもなくし、我々の常識を世間の常識に近付けるためにも、微力だけど無力じゃないを信じて、情報発信等、続けていこうと思う次第であります。

このレシピが、多くの方に届きますように。
posted by 多森 at 23:37| Comment(0) | 米粉のハナシ

2018年06月27日

アマゾンの小麦アレルギーのCMについて。独自調査報告。


===================
(追記:2018/7/25)
本記事を書いた後、グリコさんの開発努力により、クオリティの高い成形パンのレシピが公開されました。
以下の記事を読む際は、⇒こちらの記事 も合わせてご覧ください。
===================

アマゾンの、
「小麦アレルギーの姪っ子に、米粉パンを作ってあげる」
というCM。



とても思いやりあふれるCMで、特に、アレルギーに関して知識のない方の多くは、感動されたかもしれません。

このCM中に使われているパンに関して、いくつか質問を受けることがありましたので、調査してみました。
今日はその報告です。

女の子が食べている、とても美味しそうなパン。
これが、本当に小麦なしのパンなのか?
CMのラストに登場する、「こめの香(グルテンフリー)」という商品を使って作ったパンなのか?

おそらく、今まで米粉パンを作ってきた方、特に、小麦なし、グルテンなしで米粉の成形パンを作ってきた方なら、その風貌を見て、疑問を持たれると思います。

「こめの香」の製造元、グリコ栄養食品に問い合わせたところ、
このCMに関して、会社としては一切関わってないそうで、CM内のパンがどういったパンか、分からない、という返答をいただきました。
(※メーカーとしてアマゾンに聞けばいいじゃないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうできない、とても難しい問題もあります。ここはメーカーさんを責めてもどうにもならない、難しい問題があります。納得いかない方もいるかもしれませんが、グリコさんとしても、とても真摯にこの問題に取り組んでいらっしゃいますので、どうか、ご理解いただけたらと思います。)

どうやら、CMに関してはアマゾンが独自に製作し、放映されているもようです。

ということで、アマゾンに問い合わせてみました。
下記、アマゾンからの正式回答です。

=================

アマゾンのCMについて、登場するパンに関しまして「グルテンフリー100%の米粉パンには見えない」とのご連絡をいただきました。また可能でありましたら「レシピもお願いしたい」というご要望もあったと存じます。
こちらを社内にご意見を上げさせていただきますと、誠に恐れ入りますが「撮影用のアイテムについてのご回答は社外秘になります」とご返答がありました。
このたびは、お客様のご希望に沿える回答ができず、ご不便をおかけいたしましたことをお詫びいたします。

過去の他のCMについてのご質問も他のお客様よりあったようで ございますが、やはり内容のアイテムなどについては社外秘であるようでご回答は難しいようでした。
カスタマーサポートとして心苦しく受け止めております。このたびの件につきまして、お客様に大変ご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。

よろしくお願いいたします。

Amazon.co.jp カスタマーサービス 〇〇

=================

電話の窓口の方は、決してこちらをモンスターカスタマー扱いすることなく、非常に丁寧に対応してくださいました。
上からの「社外秘」という指示に、窓口の方もそう答えるしか仕方がないという状況が目に浮かぶようです。

結論を言いますと、

CMのパンが、「こめの香(グルテンフリー)」で作ったパンかどうか、答えてくれる人はいない。
公開できるレシピもない。


ということになります。

このブログ上では、事実のみをお伝えし、批判的なことは書くことを控えさせていただきます。

ただ、CMを見て、

「こめの香(グルテンフリー)であのパンを作ることができると思って購入したのに、現実はあの見た目のパンとは程遠いものしかできなかった」

と落胆する方が今後少しでも出てこないよう、情報として公開することにしました。

グリコさんとしては、こめの香(グルテンフリー)はもともとホームベーカリー用に開発したものという位置づけです。
成形パンを作りたい、と思う方に少しでもお役に立てたらという気持ちで、アマゾンの商品ページにレシピをのせてはいらっしゃいますが、あのレシピでCMのようなパンは、これは私の個人的意見ですが、できないと思います。
「思います」、としか言えないのは、アマゾンのCM制作スタッフがあのレシピで作ったかどうかを知るすべがないから断定できないわけです。

現状アマゾンページで公開しているレシピよりも、さらに皆さんに喜んで頂けるよう、グリコさんとしても、今後さらにレシピ研究をしていくとのことで、事実、動いてくださっています。
また、成形はしてないものの、オーブンで焼くレシピとして、クックパッドに公開しているレシピもあるので、そちらも参考にしてほしいとのことでした。
レシピは⇒こちらになります。

また、グリコのグルテンフリー商品は、非常に厳しい検査をして、徹底して微量コンタミがないよう配慮された商品です。
社員の皆さんがまじめに取り組んで開発されている商品であることは、どうかご理解ください。


アレルギーでみんなと同じものが食べられず、さみしい思いをしている子がいること、
みんなと一緒に食べられたらどんなに幸せかということ、

これを伝えてくれたアマゾンは、とてもありがたいことをしてくれました。
ただ、

★見た目がまるで小麦パンのようなふわふわの「手で成形して作るパン」を「家庭で」「誰でも」「簡単に」作ることは、実際はなかなか難しいこと。
それを実現しようと、たくさんの方たちが研究開発に励んでいること。


★アレルギーの知識のない人が、サプライズでアレルギーなしと思い込んで作ることの危険性。「調理器具などからの微量のアレルゲン混入」や「知識がないためにうっかり使った食材で起こる事故」。

こういったことへの理解と周知が、まだまだ足りない。
こういった最悪は死にもつながるテーマは、それを扱うクリエイターの方々はもちろん、
世間一般の方にも、今後少しずつでも伝えていかないといけないと、個人的に感じる一件でした。
posted by 多森 at 12:44| Comment(2) | 米粉のハナシ

2016年05月06日

米粉で「サクサク」クッキーを作るための、多森的理論まとめ


メールで面白い質問が来たので、大真面目に答えてみました。
質問内容は、こちら↓

=========================

『米粉だから作れるとびきりおいしい焼き菓子』に掲載されていたきなこクッキーについて一点お聞きしたいです。

作ってみたところ、バターを使用していないのにバターを使用したような深い食感に驚きました。(手が止まらないとはこのことだと思いました。)
あの食感は何のおかげでできるものなのでしょうか。
材料自体だけではなく、粉の配合量も関係するのでしょうか。

時間をかけてできあがったレシピだと思いますが、
もしもさしつかえなければ教えていただけると幸いです。

=========================


ということで、ちょうど自分の中でも整理しておきたい事柄だったので、良い機会!!
とばかりに、まとめてみました。
(かなり長いし、聞いたことない単語とか出てきて意味不明かもしれませんが…)

160220_book_part2.jpg

きなこクッキーだけではなく、「サクサク」に仕上げたいクッキーの場合ということで、まとめてみました。
以下、多森回答です↓

■□■□■□■□■□■□■□

ご質問、ありがとうございます。
また、このたびは本をご購入頂き、ありがとうございます。

クッキーの食感について、サクサクになる理由を知りたい、ということでしょうか?
米粉のクッキーで、バターを使用しないレシピは、確かに、作り方を間違えるとガリガリになったり、ねっとりしたり、ありますよね (*^_^*)
サクサクにするコツは、そうですね、たぶん、使う素材の合わせ方と配合だと思います。

ガリガリになる原因は、米粉に含まれるでんぷんが、水分子と合わさり加熱され、糊化され、それがさらに過熱され“気泡のない”状態でみっちり と固く焼き締まることによる化学変化だと思います。

私が今現在、「サクサク」クッキーを作るために必要なことと感じているのは、以下の5つになります。
(※別の食感のクッキーの場合は、また別の話になります)

1、できるだけ少ない水分量で生地をまとめる。
2、「自由水」が少ない環境を作る。
3、糊化しにくい素材を合わせる。
4、スターチ系で食感をコントロールする。
5、低温でゆっくり乾燥させる。


では、1つずつ説明します。


1、できるだけ少ない水分量で生地をまとめる。

でんぷんは、水分30%以下では、加熱しても糊化しにくい性質があるそうです。
つまり、水分を極力抑えて、熱を加えてもできるだけ糊化するでんぷんが少なくなる環境を作ってあげれば、サクサクに近ずく、ということです ね。
バターを使ったクッキーがサクサクなのは、バターのおかげで低水分で成形できるので、糊化されるでんぷんが少ないことが大きな理由ではないか と思います。

水分だけで生地をまとめるには、水分量が多く必要ですが、適度な油分を入れると少ない水分で生地がまとまります。
ということで、油分も重要です(脂っこくならない程度に)。


2、「自由水」が少ない環境を作る。

全く同じ配合の生地を水分だけ、「水」、「豆乳」、「シロップ」、と材料を変えてみると、それぞれ大きな食感の違いが出ます。
ここにも理由があるのかなと、最近感じています。

生地の中には、「自由水」と「結合水」というものが存在するそうです。
「結合水」は、糖分やタンパク質などと結合して動けなくなっている水分子、「自由水」はそれ以外の水分子。

でんぷんと合わさって糊状になるのは、おそらくこの「自由水」のほう。
シロップはすでに砂糖と合わさっているので、「結合水」が多い状態で、ただの水より「自由水」は少ない。
豆乳や牛乳も、タンパク質など入ってますので、「結合水」が含まれていますね。

例えば、粉の配合でも変わりますが、ある粉の配合で、水だとガリガリ、豆乳でコリコリ、シロップでサクサク、となる差はこの自由水の存在比率 の差なんだなあ、と納得した次第です。

ご質問の、「きなこクッキーがサクサク」なのは、きなこに含まれるたんぱく質が水分子と結びついて、結合水を作り、自由水が減るから、という ことも言えるかもしれません。
砂糖も入れれば入れるほど、結合水が増えるということになりますね。


3、糊化しにくい素材を合わせる。

水分と合わせて加熱しても糊化しにくい素材を加えてあげることでも、硬化を防ぐことができると感じています。
例えば、今回の本でも、
きなこ、アーモンドプードル、かぼちゃフレーク、さらしあん、オートミール、炒りぬか、ココナッツファイン、などなど。
素材の味を楽しむための、風味づけの意味合いも大きいですが、
「水分を含んで加熱しても固まらない」
という性質が、クッキーの食感を良くするために重要な仕事をしています。


4、スターチ系で食感をコントロールする。

今回の本でも、クッキーに片栗粉を配合していますが、片栗粉で全体のもろさのバランスを調整しています。
片栗粉(やコーンスターチ、タピオカでんぷんなど)は、同じでんぷんでも、どうも「水分+加熱」で硬くなるイメージがなく、ほろっと感が出る イメージがあります(たまごボーロ的なホロホロ感)。
米粉だけのものよりは、米粉+片栗粉、としたほうがもろさが出ます。

水分が少ない状況なので、あまり糊化しないで粉のまま乾燥しているのが大半なのでは?
その粉の粒子が米粉に比べてはるかに細かいので、粉雪のようにもろい食感を生むのではないか?

なんて思っていますが、これは勝手な私の想像です。
(※ちなみに、スターチ類は、クッキー系の乾燥したレシピでの役割と、ケーキ類の水分を含んだレシピでの役割は、また違ってきます)


5、低温でゆっくり乾燥させる。

高温で短時間で焼き目をつけてしまうと、生地から水分が抜け切る前に表面が焦げてしまいます。
低温でゆっくり乾燥させるイメージで焼くと、サクサクになります。


なんだか、かなり長く、深い話をしてしまいました。
意味ちんぷんかんぷんだったらすいません!
私の中でもちょっと整理しておきたいことだったので、今回、良い機会を与えて頂きました。


まとめるとつまり、

「食感が良くなる素材を配合」して、
「でんぷんをできるだけ糊化させない」工夫をして、
「低温でじっくり乾燥焼き」する。

という感じです!


ただ、ここに書いたことが正しいかどうかは分かりません。
私の今現在の勝手な解釈です。
こんな回答でお役に立つかどうか分かりませんが、何かのヒントになりましたら、幸いです。

■□■□■□■□■□■□■□

以上、回答でしたー!!
ここまで読んで頂いた方、ありがとうございます。
えらい長くてすいません、意味分かりますでしょうかね???

まあとにかく!!
難しいことはさておき、本のレシピを見て作っていただければ、サクサクだったり、コリっとだったり、ほろっとだったり、なクッキーができます☆
今まで米粉のクッキーで失敗していた、という方は、良かったら本のレシピ、作ってみてください(*^_^*)


★焼き菓子のレシピ本、好評発売中!








posted by 多森 at 23:39| Comment(0) | 米粉のハナシ

2015年07月24日

米粉パンにおける「ミズホチカラ」という品種の絶妙さ


米粉でパンを作る方には、だいぶメジャーとなった感がある、
「ミズホチカラ」という品種の米を粉砕した米粉。

この米粉を製粉しているのは、私の知る限り、現在熊本製粉さんのみ。
この米粉のすごさというのは、約1年前に私のブログでも取り上げさせて頂きましたとおりですが。

ミズホチカラに関して、最近、ある事実が分かりました。
それは、

「ミズホチカラ」という品種のお米なら、湿式気流粉砕で、熊本製粉レベルの米粉になる。

という事実。

私はてっきり、熊本製粉の製粉技術がなければ、あの品質は無理!!
と思っていたのです。

がしかし・・・・・。

先日、とあるルートで、けっこうあちこちの製粉会社さんが導入しているメジャーな「湿式気流粉砕機」で製粉したミズホチカラの米粉を入手したのです。

その米粉で作ったパンが、こちら。

150610_Miz_Ni_93.jpg

超合格レベルなんですけどー!!!!

そのメーカーの製粉機、実は私、今まであまりグルテンフリー向きの米粉は作れない、と思っていたのです。
というのも、その製粉機で粉砕した米粉で、いまだかつて小麦なし米粉パンがうまくいったことがなかったわけです。
そのメーカーさんによると、でんぷん損傷率はものすごく抑えられているし、粒度もなかなか細かくて、理論的には米粉パンにベストな状態のはず。
でもでも、仕上がりはイマイチ。
最悪の時は、パンと呼べるものができない。

こしひかり
アキツホ
ヤマヒカリ
はえぬき
ベトナム米
・・・etc.

その粉砕機から生まれた色んな品種の米粉でグルテンフリーパンを作りましたが、どれも納得のいく仕上がりではなかったわけです。
なので、いくらミズホチカラといっても、あのメーカーの製粉機だったら、まあ、きっと残念な結果だろう。

なんて思っていたら。
いい意味での裏切り!!!

衝撃の事実でした。
私にとっては。

つまり、

同じ製粉機でも、お米の「品種」によって、米粉の性質が超絶に変わる!!!

ということなわけです。

ちなみに、ミズホチカラと同じく米粉パン向きに開発されたお米、「こなだもん」という品種の米粉で作ったパンはこちら(この米粉はまだ一般販売されてません)。

150610_Kon_Na_82.jpg

ミズホチカラと比べるとキメの違い、けっこう差が出ました。
味も食感もグッドなのですが、やはり、ミズホの仕上がりに比べると物足りなさは否めません。
(ただ、もっちり感や弾力は上なので、こちらが好みの方もいるかも!)

製粉機同じなのに、この差。

ミズホチカラが他の品種に比べて違っている点で考えられるのは、アミロース含有率。
パンを作る際には、このアミロース含有率が高いことのメリットデメリット、低いことのメリットデメリット、あるわけなんですけれども。
この割合が、ミズホの場合は絶妙なのかなと思います。

いやはや、今までの自分の中での常識が、実はそうじゃなかった、ということが、こうちょいちょい出てくるわけで。

教室でも、

あれー、今まで言ってたことと違うじゃないっすか!!

ということが多々あるかと思います。
その時点での知識と経験で精一杯を伝えているのですが、こんな感じで、後からどんどん新事実が絶えず発生してます。
レッスンではできるだけ新たに分かったことをお伝えしようと思いますので、どうぞお許しをー!!!

というわけで、

「湿式気流粉砕機」を導入している米粉メーカー様!!

お米の品種(特にアミロース含有率に注目!)で、結構差が出ます!!!
パン用の米粉を作っているメーカーさま、どうぞ色々な品種の米粉で、冒険してみてくださいー!!!


※湿式気流粉砕機でも、上記のような結果の出ないものもあるかもしれません。
でんぷん損傷率が2〜3%に抑えられ、かつ、粒度分布の範囲が狭く仕上がる製粉機なら、期待できると思います。



話、変わりまして。

今日は、目黒区の小中学校の栄養士の先生の勉強会「給食研究会」に呼んで頂き、『米粉の特徴と米粉パンを作る際の注意点』というテーマでお話させて頂きました!

久々にパワーポイントで、

150722_PPT_Shiryou1.jpg

150722_PPT_Shiryou2.jpg

こんな感じで資料作って、私なりのグルテンフリーパンを成功させるための法則をがんばって伝えてきました!

目黒区の栄養士の先生、みなさんとても真剣に聞いてくださいまして、じゃあ、給食で作る場合はどうしたらいいか、ということでさっそく話し合いをされてました。
私の作り方のままでは、給食センターで大量に製造するには現実的に厳しいのですが。

目黒区は、すでに「アレルギーがある子もない子も一緒においしいものを!!」ということで、これまでにもいくつかの小麦・卵・乳不使用メニューを出してきたそうです。

パンになると、一気にハードルが上がると思うのですが、何かしら、今回の講義が今後の素晴らしいメニューの開発のお役に立てばいいなと思います。

試食用に、食パン、焼きドーナツ、クッキーを持参したのですが、パンを見て、
「すごーい!!ちゃんとパンだ〜!!!」
と言って喜んで頂いて、持って行ったかいがありました☆

150723_Meguro.jpg

私の講義は午後だったのですが、午前中は先生方は試作研究の時間だったそうで、そこで作ったものをいくつか頂きました。
特にキャラメルアップルケーキ、おいしかったです!!ごちそうさまでした(*^_^*)
試作して、大量に作る方法を考えて、、、、栄養士の先生ってこんなに大変なんですね。
今まで自分の子供の学校の栄養士の先生への感謝の気持ちが足りなかったです。反省。

※今回、この研究会に呼んで頂いたきっかけは、保護者の方の強い推薦があったからなんだそうです。
その保護者の方が、あれこれの生徒さんだったのでした。
ありがとうございます(涙)。


★お知らせ〜その1
先日日程追加になりました、浅川つぐみ先生の
『甘酒・塩麹〜SUMMER〜』

8/29(土)は満席になりました。
8/2(日)はまだ空きあります。

☆野菜たっぷり!穴子と雑穀米の「発酵ちらし寿司」
☆暑さに打ち勝つ「具だくさんの甘酒冷や汁」
☆石川県の郷土料理の「かぶら寿司」を即席で
☆お砂糖を使わない「甘酒焼き芋アイス」
☆暑い夏の甘酒の食べ方も伝授「甘酒バリエーション」


講座の詳しいご案内と申し込み方法は⇒こちら

★お知らせ〜その2
プライベートレッスンですが、いったん、年内で〆切ろうと思います。
現在、11月も埋まりまして、空きは12月のみです。
年明けの受け付けは、システムや受講料など見直して、また改めてご案内させて頂きます。

★お知らせ〜その3
9/28(月)プライベートレッスンの方から、同席者募集のお知らせです。
メニューは、
・ひよこ豆粉と米粉のサクサククッキー
・米粉のほろほろスノーボール
です。
小麦・卵・乳・大豆不使用です(スノーボールはアーモンド使用)。
料金は、3〜4名集まれば6,500円、2名の場合は7,500円です。
時間は10:30〜13:00。
先着3名様受付ます。
info☆komeko100.com
まで。(☆を@に代えてメールで申し込み下さい)





posted by 多森 at 00:07| Comment(2) | 米粉のハナシ

2014年09月09日

ミズホチカラ米粉で作るグルテンフリーパンの実力がすごい


140907_mizuhochikara.jpg

最近、ミズホチカラ米粉というものの存在に気付きました。
もうすでにご存じの方もいらっしゃるやもしれませんが、恥ずかしながら、私はつい最近知りました。

140903_mizuhochikara.jpg

現時点では、業務用じゃない小分けにしたものを取り扱っているのは、クオカさんのみ。
熊本県産米粉(パン用)1kg と、
熊本県産米粉(製菓用)1kg
という名前で、2種類が販売されています。
ミズホチカラという品種のお米から作られた米粉なわけですけれども。
グルテンフリーパンを作るなら、迷わず「パン用」を選びましょう!!
「菓子用」だと、キメが細かすぎて、米粉のみでパンを作るにはちょっと難易度高いです(こんにゃくマンナン入れて作れば可能です。食感はシルキーでしっとり感満載でこれはこれでとてもおいしいのですが・・・)。

こちらの米粉、タモリ調査により、製粉会社は「熊本製粉」と判明。

パン用米粉と菓子用米粉の違い は、
パン用は、平均粒径「小さい」&損傷澱粉「特に少ない」
菓子用は、平均粒径「極小」&損傷澱粉「少ない」

ということだそうです。
※詳しくは、熊本製粉の「米粉について」のページ参照

「ミズホチカラの米粉でパンを作ると膨らみがすごいらしい」と知ったきっかけは、農研機構さんのこの記事を読んで。
この研究をされた方とお話する機会が持て、色々と話しているうちに、ミズホチカラは試してみる価値高いですよ、と教えて頂いたことからでした。

しかし、クオカさん在庫切れ。入荷するのを待って、速攻注文し、ようやく届きました。
まずは、こんにゃくマンナン様のお力を借りて。

140903_mizuhochikaraPan.jpg

シリコンのパウンド型で焼きました。
発酵後にオーブンに入れてからの釜伸びが、ちょっと今までと違う感じです。
(折り紙は息子の作品です。息子が発表の場が欲しかったようで、まぎらわしくてすいません)

140903_mizuhochikaraPan2.jpg

断面です。
見た目、普通に小麦のパン!
食べてみたところ・・・こ、これはっ!!!
めちゃくちゃ小麦っぽい!!!

生地の粘りがものすごかったので、これはもしかしたら、マンナン入れたり、とろみ水用意したりしなくても、ある程度ちゃんとしたパンができるかもしれない・・・

と思ったので、今度は、
米粉、さとう、塩、油、酵母、水
のみで作ってみました。
想定どおり、水だけでものすごい粘り。
今までの米粉と生地の様子がかなり違うので、水分量悩みます。最後は勘で決めました。
そして焼いてみました。

140907_mizuhochikara1.jpg

ミニ食パンサイズです。
・・・・すごい。ものすごいきれいな山型に膨らんだではありませんか!

140907_mizuhochikara.jpg

断面です。
見事だー。
小麦のパンにしか見えない。
レッスンで生徒さんと試食しましたが、みんな
「これ、何も言わなければ、小麦のパンって思っちゃいますよね」
という意見。
スライスしたものをたてに持って潰しても、元に戻るその弾力の強さにもびっくり。

これがミックス粉ではないなんて・・・・。
α化した米粉ががっつり入っているのか?
または、未知の何か粘りをつけるものがこっそり入っているのでは?
これは確認しなければっ!!!!!

ということで、熊本製粉に電話して確認しました。
うっとうしい客だと嫌がられないように・・・でも粘り強く、がんばって質問しました。

いくつか電話の相手が交代され、最後に素晴らしい方が全ての疑問に答えてくださいました。

この米粉、なんと、何もブレンドしてないそうです!!
じゃあ、この粘りの秘密は何!?いったい何なの?

しかし、私は1つ、思い当たることがありました。
シルキースノウという米粉です。
数年前出会ったあの米粉。
でんぷん損傷率が極端に少ない。というか、損傷なさすぎてつまり純粋な「米デンプン」なんです、と研究担当の方に教えてもらったあの米粉。
こちらのブログに記事アップしてますが。

あの、片栗粉を少しの水で混ぜた時のような抵抗してくる感じ。
あの感触!!あれにかなり近い!!
でも、シルキースノウまで「ほぼでんぷん」というほどでもなく、ミズホチカラのほうは何割かそういうのが混ざってるようなイメージです。

ということで、もしかして、「米デンプン」的なものをブレンドしてるんじゃ?
と聞いてみたところ、
「いえ、それもないです」と。
「何も混ぜてなくて、製粉してそのままなんです」と。

その言葉を信じるとすると、シルキースノウと普通の米粉の間くらいのでんぷん損傷率、ということか!

どのメーカーさんも、「うちの米粉はでんぷん損傷率が少なくて」というのを売りにしていると思いますが、そのレベルにも色々とあるんですね〜。
損傷率を抑えるために、各社色んな工夫をされてるわけでして。

純米パンミックスの米粉は酵素処理がされているし、シルキースノウはアルカリ処理がされています。

熊本製粉さんも、何かそういった前処理的な秘策があるのでは〜?
と探りを入れてみたところ、
なんと、
粉砕前に「水」に浸しているだけ
と。

うっ!!!!
では、製粉機の能力がすごいのか!?それしか考えられない。

ダメもとで聞いてみました。

「御社は気流粉砕ですよね?」

するとその答えは・・・

「気流粉砕じゃないんです。胴搗き粉砕でもないんです。当社独自の、特殊な粉砕方法なんです。」

ええええ?マジですか?

実は以前、くまもんパッケージの熊本製粉米粉(クオカの菓子用米粉と中身は同じだと思います)を使った時にあまりにも他社の米粉と違う感じがしたので、製粉方法について問い合わせたことがあったのです。
その時に「気流粉砕ですか?」と聞いて「それは秘密です」としか言ってもらえなくて、どうせ気流粉砕なのにそれぐらい答えちゃえばいいじゃん〜と思っていたのですが、「秘密です」と言われた理由が今日分かりました。
これは秘密にするだろうなと。いや、秘密にしたほうがいいでしょう、と。

私も、さすがにここから先は聞くのを遠慮しました。

ちなみに、米の品種での違いは確かに多少あるものの、熊本製粉の機械で製粉すると、コシヒカリ等でも近い感じの仕上がりにはなるらしく。
一番品質を左右しているのは、やはり、製粉方法とのことでした。

このパン用米粉、なんと6〜7年前から世に出ていたそうです。製粉方法もずっとかわらずだそうです。
いや〜、知らなかったー。もったいないことをしていました。
これからもう少しこの米粉に慣れて、水分量などもちゃんと勘ではなく生地の状態をみて調整できるようになったら、レッスンなどで紹介できるかもしれません。
ロットによって吸水量にばらつきがないか、なども確認していかなくては。

ただ、小分け販売しているのが、今はクオカさんのみ
クオカさんを通すと、製造ラインで小麦や卵等使われているため、コンタミの可能性もあります。
※追記(2014/9/25):チームアレルギーさんでも、販売が始まりました通販サイトはこちら。

熊本製粉では、米粉は小麦等を扱うところとは別の場所で作っているそうなので、過敏な方は、直接購入できると安心ですね。
とはいえ、熊本製粉の通販サイトで買えるパン用米粉は、業務用20kgのみ!
いくらなんでも、一般家庭で20kgは消費できないですよね。

しばらくはクオカ先生から買うしかなさそうです。
って、ほぼ品切れ状態ですが・・・。

思い切って、業務用買っちゃおうかなー。
こちらで小分けでお譲りできるとしたら、興味ある生徒さんいらっしゃいますでしょうか?

私の中でのイメージ。

・熊本製粉パン用米粉=普通の食パン(弾力強いあっさり系)

・純米パンミックス=ダブルソフト(しっとりふんわり系)

・マイベイクフラワー=超熟(しっとりもっちり系)


どのパンも、個性があって、おいしいです〜!!!

■ 9〜10月の基礎パンクラス「炊飯器パン」レッスンは、全日程満席となりました。キャンセル待ちは受け付けております。

■ 9〜10月の通常レッスン
「自家製米粉パスタ・トロフィエの冷製ジェノベーゼ」
「こだま酵母のラズベリー米粉マフィン」


140811_Trofie.jpg 1409_Muffin1.jpg

9月は満席、10月はまだ空きがあります。⇒レッスン詳細はこちら。

■ ぽけっとエプロン ひょうどう先生の
「飾り巻きずし教室」
10月26日(日)、10月28日(火)、10月29日(水) の3日間開催されます!
kaeru.jpg rose.jpg
詳しくは⇒こちら



posted by 多森 at 03:03| Comment(15) | 米粉のハナシ

2014年08月21日

まいぱーね(タカナリ米粉)で炊飯器米粉パン


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島根県の「まいぱーねの会」の方から、試作用に「まいぱーね」という米粉を譲って頂きました!
一般販売されていない米粉なので、ずっと気になっていたのですがなかなか入手できずだったのですが、ようやく手元に届き、使うことができました。

国内の休耕・放棄田を活用するため&日本の自給率を上げるため、島根大学と協力して開発されている米粉が「まいぱーね」。「タカナリ」という品種のお米を製粉したものです。
「タカナリ」は、コシヒカリ等の「短粒種」とタイ米等の「長粒種」の中間の、「中粒種」。
粘りが少なく、ピラフやリゾット、カレーライスにおすすめの品種だそうです。
また、多収穫(一定の栽培面積から収穫されるお米の量がたくさん)なのも、休耕田を活用するために選んだポイントだそう。
しかも、その「粘りが少ない」という特徴が、米粉パンには最適、とのこと。

確かに以前、GOPANのお米の品種別テストで、粘りの少ない「ササニシキ」で作った米粉パンは「コシヒカリ」に比べてあっさりしていて、私好みでした。
その時の記事⇒「米の品種で仕上がりに違いはあるのか?〜コシヒカリとササニシキでやってみた

ちなみに、まいぱーねで作る炊飯器パンの動画はこちら。
※動画ではかなり男気溢れる作り方ですが、説明書の作り方はここからさらにバージョンアップされてました。
 ↓ ↓ ↓


さて、どんな仕上がりになるんでしょう〜?
まずはこちらのミックス粉

140821_TakanariPan4.jpg

を使って、説明書の分量通りで作ってみました。
説明書ではかなり油控えめです。その通りにしてみました。
生地の粘りがすごい!
水分少ない片栗粉を混ぜてるような感じです。

そして、焼いてみました。
夏場だからと発酵を超控えめにしたところ、イマイチの仕上がり。
味も、砂糖と塩が控えめなのか、ぼんやりした味。

やはり、いつも慣れた方法で作るほうがいいかも、ということで、今度は「タカナリ米粉」だけのほうを使ってリベンジ!

140821_TakanariPan3.jpg

こんにゃくマンナンを加えていつもの配合で作ってみました。

そしてできたのがこちら!

140821_TakanariPan2.jpg

しっとり、ふんわり〜。
おいしくできました。

生地は、かなり固めです。
水分量増やすか迷いましたが、夏場は水分量少なめのほうがいいので、そのままで行きました。
結果オーライでした。

焼いてまだほんのすこ〜し生ぬるい状態でしたが、けっこうきれいにスライスできました。
粘りが少ない品種だからか!?
もう少し冷めてから、また観察したいと思います。

味は、いつものパンに比べて特段違う!という感じはしませんが、食べ比べてみたら違うかも?
粉自体の粒子はかなり細かそうな気がします。
パンとしてはシルキーな仕上がりになったと思います。
甘みを結構感じるので、お砂糖もっと少なめにしてもいいかも?
油も、確かにもっと減らしてもよさそうな気がします。なんとなくの感ですが。
この粘りっぷりだと、こんにゃくマンナンなしでとろみ水でかなりいい線行きそうな気がします。
今度やってみます。

米粉パンに適した品種のお米で作った「まいぱーね」。
今後、生産者が増えて、一般販売されることを切に願います!

【お知らせ】

■ 9〜10月の通常レッスン
「自家製米粉パスタ・トロフィエの冷製ジェノベーゼ」
「こだま酵母のラズベリー米粉マフィン」


140811_Trofie.jpg

1409_Muffin1.jpg

は、明日(8/22)より新規の方の予約受付開始になります。
ご予約、お待ちしています!⇒レッスン詳細はこちら。

9月の基礎パンクラス「炊飯器米粉パン」は満席となりました。ありがとうございます。
キャンセル待ちは引き続き受付中です。





posted by 多森 at 16:52| Comment(4) | 米粉のハナシ

2014年02月09日

大雪日は試作ざんまい


降りました降りましたー。
皆様いかがおすごしでしたでしょうか?
まさに、国民的イベントでしたね。
子どもも大盛り上がりな週末でした。

そんな中、NHKのニュースを見ながら、ひたすら粉モノを焼いていました。
もう家族からはかなりうんざりモードなので、途中からは食べてもらうのをあきらめて、焼けたものはじゃんじゃん冷凍庫行き。

こちらは、今月のレッスンのプチパンの試作。

140209_putipan.jpg

右と左で、米粉も作り方も違うのですが、見た目はほとんど変わらないですね。
でも、食べてみたら、やっぱり違いました。
両方とも、水分量多めだったかな。
まだちょっと調整が必要です。

こちらは人参とメープルの米粉マフィン。

140209_carotMuffin.jpg

以前、ブログにレシピをアップしましたが、こちらはそちらの改良バージョン。

重曹なしにして、ベーキングパウダーも減らしたのですが、以前のものよりぐっと膨らみがアップしました。

このマフィンで使った米粉は、シーワンさんの米粉。
《シーワン》米粉100%粉(岡山産)【1kg】

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米粉パン専門店の「和良」さんが使っている米粉だそうです。

去年、是非使って感想を教えてください、とシーワンさんから送って頂いていたのですが、なかなか時間が取れず・・・やっと使わせていただきました!

マフィン、とってもおいしくふんわりできました〜。
パンケーキも焼きましたが、これまたふんわり。
水分量は少し多めに配合するのが良さそうです。
例えば、パンケーキでリファリーヌや共立米粉や日本のコメ粉が豆乳量135gぐらいがいい塩梅なのに比べ、シーワン米粉の場合豆乳量は155gがいい感じ。

岡山県の吉備中央町産のお米だけを使った、安心安全な米粉だそうです。
(※製造工場内では小麦抽出グルテンを含む製品を生産しているそうなので重篤な小麦アレルギーの方はご注意ください)
産地にこだわって米粉を購入したい方には、選択肢の一つとしていいかもです〜!
お値段も良心的です☆







posted by 多森 at 16:53| Comment(2) | 米粉のハナシ

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